■割り箸は環境破壊か!? |
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日本固有の文化とされている「割り箸」。かつての御先祖様が日本の温暖な気候、風土の自然環境での生活の知恵として生まれたものです。 「割り箸」という語源は「木や竹を割って作った」というところから来ています。 その製造方法は、原料や産地によって違いは出てきますが、主に建築資材や家具材等の余り物(端材)の中から使えそうなものを分別して有効に活用しています。 端材を4〜5mmの厚さで剥いていき、できた板に箸の形を刻んでから乾燥させ、そして切り離していくことで完成します。 箸の形はいくつかの種類に分けられ、頭の部分が削られた「天削」、千利休が自らの茶会で使用し箸の形から茶会では上下の差別は無いと説いたと言われる「利休箸」。うどん屋さんなどでよく見る「元禄箸」「小判箸」などがあります。 かつてはこれらの割り箸は国内産のみでまかなわれてきました。しかしながら国内産ではその端材の絶対量が少なく、また建材として利用する頻度も年々少なくなっていくと同時に、輸入材が用いられるようになりました。 その輸入材は韓国・中国を始めフィリピン・インドネシアなどのする東南アジア諸国、そしてカナダ・アメリカ・チリなどから輸入されています。とくにここ数年では韓国や東南アジアなどからの輸入量が減り、代わって中国が主な輸入先となっています。 それでは一般的に指摘されるように、本当に割り箸は各諸国の環境を破壊する森林伐採の中心的存在なのでしょうか? 確かに「割り箸」は日本古来の独特の文化であります。手軽な外食であっても家庭での食事であっても日本人は「箸」を主に用います。その中でも「割り箸」は数多くの使用時のメリットの多さから多くの日本人に愛されています。そのメリットとは... 1:手軽に使える では逆にデメリットとは?やはり原料となる「木材」のための森林伐採でしょうか?特に「割り箸」は日本独特のものですからその風当たりは強いとさえも言われています。 しかしここに一つのデータがあります。平成元年(古いデータで申し訳ないですが)の日本国内における木材の総消費量の各需給量の割合を書いたグラフです。 このグラフでも分かるとおり、木材の消費量の中でも「割り箸」の占める割合は、木材の総消費量の中でもわずか「0.4%」にしかすぎません。 なぜかと言うと、先ほどにも述べた通り「割り箸」は建築材や家具材に使用できない端材やパルプに使用する木の中から、箸に使えるものを選んで有効に利用しているからです。 これからも分かるとおり決して「割り箸」だけが各諸国の森林伐採を推進しているというわけではなく、また国内木材にしても無差別で伐採しているわけではなく成長し余った木を伐採したのちに端材を利用しているので、割り箸だけが「森林伐採」の悪者なのではありません。 ちなみに国内産割り箸は奈良県吉野町や金沢県加賀町などの農山村森林地帯に生産工場を構え、材として使えない木材を加工して作られています。各地域社会と深い関わりえを持ちながら数少ない産業として定着しています。 またその使用する木材の生産量と輸入量の関係ですが、主に日本国内の木材がシェアのほとんどを占めております。それは日本の風土上「割り箸」に最も適しているのが「杉」や「えぞ松」だからです。
輸入材では北米やロシア材をかつては利用していましたが、ここ数年では南米チリ産や韓国産や東南アジア産、そして何より中国産が主となっています。 中国産木材はここ10数年来輸入材の王者として君臨してきました。その要因となるのは 1:建材として使用する木材が大量に余っていた。 とくに竹材に関しては大量に日本に輸出され日本国内の竹材単価が大幅下落するという影響を及ぼしました。 なぜ中国から木材が大量に輸出されたのか?それは中国自体が各森林地帯を開発してそこに果樹園や畑を作るという背景があったからです。その森林開発の際に伐採された大量の木材が日本向けの材料として輸出されたというわけです。 今現在その伐採された地区には果樹園や畑などが整備されているということです。 以上のように確かに「伐採」という事実は残っているかもしれませんが、その背景にはきちんとした理由・動機付けなどが存在しているのであって、決して大量なる無駄な伐採の果ての環境破壊の上に木材や割り箸などが存在しているわけではい、ということがわかっていただけたと思います。 |
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協力:中本製箸店、吉辰製箸店、ほか |